正義の人は強い
今日のテーマは「正義の人」
2020年4月から東京都内を始め、緊急事態宣言が発効されました。
自粛を要請されて、でもあくまで「要請」のため、密集・密室・密接の三密を避け、外出は「なるべく」減らすように声掛けがされました。
飲食店はじめ、お店の営業も自粛を余儀なくされています。
お店の経営が普段とはうってかわり、営業時間短縮やテイクアウトの普及など、経済の影響も多大なるもの。
また、ビタミンDは体内合成が不可能なために、太陽光を浴びない事で今後は健康に関する不安も懸念されます。
そんな中、コロナウイルスの影響のひとつに「正義の人」があげられます。
自粛警察と呼ばれる人たち
自粛してないお店に嫌がらせの貼り紙をしたり、公園で遊ぶ子どもを通報したり、マスクをしてない人に罵倒したり。
「自粛警察」と呼ばれる人たちがネットで話題です。
ちょっと言いたいのは、みんなそれぞれ事情があるって、想像力を働かせて欲しい。
お店は従業員さんの生活のために頑張って無理して営業しているのかも。
子どもは休校で居場所がなくて公園にいるのかも。
マスクをしてないのは買い占めで買えなかったり、そもそも単純に忘れただけなのかも。
正義って実はとても危ない一面を持ってるなと思う。戦争って正義と正義の戦いだよね。
ある側面から見たら、どっちにも是非があって、それをぶつけるかどうかって事。
だから正義を武器にしたら、それに反する人を叩いていい「理由」に還元されてしまう。
増加する誹謗中傷
誹謗中傷の正体
インターネットの誹謗中傷も、ほんの出来心から始まって、自分が正しいという正義の剣を振りかざすことが出来ちゃう。
SNSは適当なフリーアドレスを取得すれば、捨て垢を作り放題なわけです。
でも、ここ最近は有名人とかインフルエンサーが情報開示請求をして、相手の特定をしたりしている。
なんとなく無職のおじさんがやっているイメージ(ごめんなさい!)だけど、蓋を開ければ普通の若い女性とか主婦だったり。
いざ訴訟となると、当然、配偶者にも会社にも通告がいったり、差し押さえがあったり。
多分それまでの生活とか積み重ねてきたものが一気に崩れて、全てを失ってしまう。
正義の剣を振りかざすことはきっと快感なんだと思う。だって、ある側面だけを見て、匿名で普通の生活なら交わることのない人を裁けるわけだ。
1番手っ取り早いマウンティング。
でも画面の向こうには人がいて、傷ついたり正体のわからない相手に怯えているかもしれない。
だっていきなり自分の知らない人がホームに乗り込んできて不躾な言葉を投げつけてきたら、みんな絶対怖いなと思う。
自分よりも権力のある人に対して、イニシアティブが自分に移る感覚。
それは幻想なのだけど、インターネットの上では強気に発言出来てしまう。匿名だから。
本当に怖いのは「フレネミー」
また、それを面白おかしく拡散する人も、またその犯罪に加担していることを自覚しないといけない。
その書き込みでまた違う誹謗中傷が生まれて、噂は事実とは大きく変わる形でインターネットの海を泳ぐ。
「フレネミー」という言葉がある。
一見すると仲良しの友達のようだが、「ここにこんな悪口書いてあったよ!」といった風に、知らぬが仏状態を許さない。
一見すると善意に見えるため、こちらとしては「教えてくれてありがとう」というしかないし、でもじわじわダメージを受けないといけない。
インターネットの匿名性の行方
AIの台頭する時代
これからはAI(人工知能)が多くの職業を奪っていくという話があります。
例えば、みんなGoogleで「ネイル」って調べると、その直後から全然関係ない事を調べたページでネイルチップの広告が出たり、Facebookの広告にサロンのおすすめが出たりしますよね。
私たちはコンピュータに監視されている、というほど過激な事は言わないまでも、cookieや踏んだリンクによって情報が選別された状態で「おすすめ」されます。
自分のログがインターネットにかなり残るんですよね。
IPアドレスもそうだけど、少し前は携帯を変えたりアドレスを変えたら、それまでのログとはサヨナラ出来ていたのですが、今はもう違う。
端末毎に番号が振られていて、機種変しようが辿れてしまう。
デジタルは便利だけど、全て紐付いてネットワークとなっている。
だから、ほんの出来心からしたイタズラは、忘れた頃に露見してしまったりします。
情報開示請求されると
そうすると、いまいる居場所や大切な家族や仲間を失う可能性が大いにあります。
これまで弁護士相談は過払い請求とか債権回収とかがスポットを浴びていたけど、インターネットの普及やオンラインの台頭で、情報開示請求が増えるんじゃないかなと思っています。
潮流が変わったのは東日本大震災
SNSの歴史が変わったのは「東日本大震災」だと言われています。
平成23年、2011年3月11日に東北地方太平洋沖に発生した大地震によって、福島第一原子力発電所事故や多くの犠牲者を出した津波の被害、火災による大規模な災害となった。
東日本大震災以前は匿名性が高かったが、それをきっかけに有名人が一般人の情報を救い上げるようになったり、企業アカウントが増えていった。
また、トランプ氏がアメリカの大統領に当選以降、実名アカウントの増加も影響して、SNSはそれまでのバーチャルなステージから限りなくリアルの延長となっていった。
テレビの優位性が落ちていった平成後期
昭和、平成と情報源はもっぱら新聞やテレビだった。
しかし、インターネットの普及やサブスクリプションの出現、iPhoneなどのひとりひとりに端末が与えられるようになり、新聞やテレビの優位性は落ちていった。
口コミからSNSに拡がり、ネットニュースとなり、それがテレビで放送される、という潮流の明らかな転換があった。
だからこそここ数年で、TwitterやInstagramはスパムに対して厳しい措置をとり、誹謗中傷に対してもセンシティブに対応するようになった。
影響力はもはやテレビよりSNSが大きく占めるようになったため、当然、取締りも厳しくなってきた。
優しさが循環する世界
もし時間を使って、コストを割いて何かをするならば、やっぱり人を喜ばせる方向にそのリソースを割かないといけないと思います。
人生は長いようで短くて、どんな仕事も頑張れる時期や集中できるタームは一瞬。
それならば、人のために使いましょう。
もしかしたら、少し間違っている人がいるかもしれないけど、優しく教えてあげて欲しい。
私は昔から「情けは人の為ならず。巡り巡って己がため。」という言葉を念頭に置いています。
ほんの少しだけ人に優しくしたり、許してあげたり、その時は自分が貧乏くじをひいた気分になるかもしれない。
でも、人にしたいい事も悪い事も自分に返ってくる。
誰かにした優しさが、また別の誰かに還元されて、優しい世界が出来るかもしれない。
既出ですが、戦争は正義と正義の戦いです。
大義名分も結構だけど、穏やかな気持ちで毎日を過ごせたら、それが1番だと思います。
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